この記事では、AIRSIM(エアシム)についてメリット・デメリットなどを交えて詳細なレビューをしてみたいと思います!非常に便利なAIRSIM。海外出張の多い方、旅行によく行く方などには必須です!
実際に台湾・台北、香港、韓国・ソウル、日本で利用してみました。速度などの詳細レビューも記載しているので、実際にどうだったのか是非確認してみてください!
AIRSIM(エアシム)とは?
まずは知らない人のために簡単に説明しておきましょう。
AIRSIMは、香港のSHINETIWN TELECOMが提供するサービスで、このAIRSIMが1枚あれば、世界90ヶ国以上でデータ通信が利用できます。
その仕組として、使用する国・地域ごとに、必要な日数とデータ量のデータプランをオンラインで決済購入して利用します。このようなタイプのSIMを「クラウドSIM」と呼んだりしています。
一度利用してみると分かりますが、非常に便利なSIMなのです!
モバイルWi-Fiルーターの方が良い方は「GlocalMe」がオススメです。同じ仕組みで、界中100カ国以上で使うことができます。
今まで香港など購入できる場所が限られていたのですが、最近はAmazonでも販売されており手軽に購入することができるようになりました。是非、利用してみてください。
AIRSIMはどの端末で利用できる?
1.SIMフリー、SIMロック解除済みのスマートフォン
まず大前提として、SIMフリーのスマートフォンやタブレットなどで利用できます。また、キャリア端末も利用できますが、「SIMロック」を解除する必要があります。
2.使うプランのネットワーク周波数帯に対応した端末
AIRSIMを現地で使う際には、端末が利用するプランのネットワーク周波数帯(バンド/Band)に対応していなければいけません。これはAIRSIMだけではなく、海外のSIM(現地で調達するSIMなど)でも同じことが言えます。
と言われても、「なんのこと?そんなこと気にしたことないけど?」という人がほとんどではないでしょうか?
例えば、香港では中国移動の周波数(LTE)であるB3/B7/B40に対応した端末を利用する必要があります。韓国ではSK Telecomの周波数帯(LTE)であるB1/
B3/B5に対応している必要があります。
周波数はその利用するプランによって異なります。すべての周波数ではなく一部の周波数だけに対応した端末などを利用すると、電波状況が悪い場面に出くわす可能性が大きくなります。
例えば、韓国ではB1/B3/B5に対応している端末を利用することで通信品質が一番良好になります。仮に今いるところがB5の周波数しか飛んでいないのにB5に対応していない端末を利用すると、電波が掴めず圏外になってしまいます。
と言うことで、一番良いのは、利用するプランのすべての周波数に対応している端末を利用することです。
最悪の場合としてはどれか1つだけでも対応している端末を利用すること。でも1つの周波数だけにしか対応していない場合、本当に電波がない状況の方が多いので、なるべく多くの周波数に対応しているものを利用するようにしましょう。
少し長々と解説してきましたが、これはかなりややこしい問題です。
特に、SIMロック解除したキャリア端末(docomo、au、softbank)のスマホを海外で利用しようとすると、全てのBandに対応していない場合が多く、ところどころで電波がない状況になることがよく起こります。
Amazonなどのレビューで「電波が悪かった…」なんて書いている人がいますが、それは端末が合っていなかった可能性が大です。
では、AIRSIMでおすすめの端末ってどれなの?
上記で簡単にですが色々と説明してきました。
「結局、AIRSIMでオススメの機種はどれなの?」と思った方も多いのではないでしょうか?
一番重要なのは、どこの国でも使えるように、周波数帯(バンド/Band)に多く対応している機種を買うことです。
多くのBandに対応している端末でオススメなのは何か?と聞かれたならば、
「iPhoneか高価格帯のAndroid端末」
です。
例えば、iPhone 6s(モデルA1688)を見てみましょう。
対応しているBandは「Band1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/27/28/29/38/39/40/41」とかなり多く、どこの国に言っても大体フルで対応しており、もうバンドを気にする必要がないと言えそうです。
もう一つ例を上げれば、SIMフリーとして国内で販売されているファーウェイのP20。対応バンドは「Band1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/17/18/19/20/26/28/32/34/38/39/40/41」とこちらも豊富です。
P20の下位モデルで値段も安い「P20 Lite」では、対応バンドが「Band1/3/5/7/8/18/19/26/28/41」とP20と比べて対応バンドが少ないのが現状です。国内だけで利用するなら特に問題ないのですが、どこの国でも不便なく利用したいとなると不向きの端末となります。
これはSIMフリースマホ全体に言えることですが、高価格帯のものは対応バンド数が多く、低価格帯のものは少なくなる傾向です。
では、キャリアの端末をSIMロック解除した場合はどうでしょうか?
iPhoneの場合、SIMフリースマホと基本的に同じバンドに対応しているので、SIMロック解除したiPhoneを海外で利用するのは大変オススメです。しかし、Andorid端末の場合、ドコモならドコモの周波数(バンド)に最適化されており、周波数の対応が少ない機種もあり、基本的にはあまりオススメしません。
この点をよく理解して、端末を選んでみましょう。
AndroidよりもiPhoneの方がAIRSIMは使いやすい!
上記で説明したように、iPhoneか高価格帯のAndroidを購入すれば間違いないのですが、その2つで比べると、iPhoneの方が圧倒的に利用しやすいと思います。
というのも、iPhoneの方がAPNを自動で設定してくれる確率が高く、SIMカードを指すだけで利用できる確率が高いからです。
Andorid端末でもAPNを自動で切り替えてくれるものもありますが、手動で切り替えないといけない場合が多いです。特にキャリア端末をSIMロック解除したものでは(私の場合)100%の確率で手動切替です。
SIMフリーのスマートフォンではAIRSIMを挿入するとAPNの設定を自動的に行ってくれるものもあれば、してくれないものも。これは機種依存というところでしょうか。(これに関してはAIRSIMに限らず、現地で購入したSIMでも言えること。)
SIMカードを入れ替え作業をしたら、すぐに利用できるのは本当に楽です。そういった意味で、AIRSIMが一番使い勝手が良いのは「iPhone」といえると思います。
キャリアから購入したgalaxyでAIRSIMが使えない…
キャリアから購入したサムスンのgalaxyシリーズ(galaxy s6edge、s8、FEEL)をSIMロック解除してAIR SIMを利用しようとしたところ、(私が所有している)すべてのgalaxyでAIRSIMが認識しません…。
AIRSIM以外の海外プリペイドSIMなどはしっかり認識するのですが、なぜかAIRSIMだけ認識しません…。
上の動画は韓国で利用してみた時のものです(台湾などでも試しましたが同じ現象が起こります)。
SIMが認識して通信事業者が“SKT|AIRSIM”と表示されたり、消えたりする現象が永遠と続いていました。APNやローミングの設定は問題ないですが、データ通信は不可でした…。
ちなみにドコモ端末でSIMロック解除したシャープのSH-01KやZTEのMO-01K、ファーウェイのHW-01Kでは問題なくAIRSIMが利用できていたのでGalaxyだけの問題のようです…
AIRSIMのプランは割安?現地SIMの方が安い?
AIRSIMのプランは利用する国や利用日数などによって料金が細分化されています。
最新の料金プランはAIRSIMの公式サイトを参照してください↓
リンクAIRSIMのプラン
(上記サイトは中国語表記ですが英語表記にすることも可能です。また注意したいのは、料金がUSドル表記ではなく香港ドル表記という点。日本円に換算する時にUSドルで換算しないように注意しましょう。)
個人的な雑感としては、料金プランは「高いものもあれば、安いものもあるな…」というところ。総合的に見ると、まあ、高くても許容範囲の料金かなと感じます。
割高感が強い国もたまに見かけたりするので、コスト重視な人は現地SIMと見比べてどちらを使うか決めるのがよいと思います。ただ、AIRSIMは一度購入したらい色々な国で利用できるのが最大のメリットということもあり、私は、新たにSIMを買ったりする手間がめんどくさいので、多少高くても手元にあるAIRSIMを利用しています。
と言うことで、「コストパフォーマンス」という点では良くも悪くもプランや日数によります。コスト重視の方は色々なSIMと見比べましょう。
台湾・台北でのAIRSIM利用・体験レビュー
台湾・台北で電波状況や使い勝手、速度などを確認してきたので体験レビューしたいと思います。
台湾プランの詳細は下記の通り。
- ネットワーク・電波: 台湾之星(Taiwan Star Telecom)
- 対応LTE-Band: B7(2600MHz)、B8(900MHz)
- データ量: 無制限
- 速度低下: 1日500MB以上の利用で256kbpsに速度低下
気になるところは、データ量は無制限のプランですが、「1日500MB以上利用すると速度低下が起こる」との記載があること。256kbps程度の速度ではマップやWebサイトの閲覧は厳しい状況です(LINEは可能)。ただ、後ほどレビューしますがこの規制は現状(2018年8月時点)行われていない模様です。
通信品質や速度は?
電波は台北ではずっと4G(LTE)表示で、電波を失うことは一度もありませんでした。問題なく台北で利用できます。速度に関してはこちら ↓
台北101の前で計測
少し見にくいですが、速度は下り(ダウンロード)が21.3Mbps、上り(アップロード)が11.2Mbpsとなっており、速度に全く問題ない状況です。
松山空港で計測
台北アリーナの前で計測
東区粉圓で計測
マンゴーかき氷で有名な冰讃で計測
ホテル エクラット 台北(大安区)で計測
アイスモンスター(忠孝店)で計測
見ての通り、速度に関しても全く問題ない結果でした。実際に利用していても、不満を感じることが一度もなく利用できたので台北でAIRSIMを利用するのはオススメできると言えます。
1日500MB以上の利用で速度制限?
今回利用した台湾のプランはデータ通信は無制限ですが、1日500MB以上の利用で速度が低速の256kbpsに低下すると記載がありました。
ただ、2018年8月に利用した際には500MB以上超えても速度低下は見られず、ずっと高速のまま利用できていました。今後は速度低下するかもしれませんが、一応、現状では無制限で高速通信が可能です(2018年8月現在)。
速度制限が掛かる500MBを使い切るために、1GB以上の動画をダウンロードした後に速度計測してみたところ、まだ速度低下が見られず快適な速度でした。
※ 現状(2018年8月現在)、速度制限はないですが今後制限される可能性は大です。
韓国・ソウルでのAIRSIM利用・体験レビュー
2018年5月に韓国のソウルに行ってきたので、その時の速度等をレビューしたいと思います。
韓国プランの詳細は下記の通り。
- ネットワーク・電波: SK Telecom
- 対応LTE-Band: B1(2600MHz)、B3(1800MHz)、B5(850MHz)
AIRSIMを韓国で利用するとSK Telecomのネットワークを利用することになります。
詳しく言うと、香港のThreeからローミングしてSKTのネットワークを利用となり、APNはThreeのものを利用します。
↑ 今回利用したプラン
料金は3GB/5日間でUS$10.99なので当時レートで約1,200円前後と中々の割安感。
※2018年9月現在、このプランは無くなった模様で、現在はデータ通信無制限(1日500MBで低速256kbps)で5日間プランはUS$13.99となっています。
対応バンドはLTE:B1/B3/B5となるので、これらに対応してる端末を利用しましょう。
国内のキャリアスマホの場合、B5に対応していないものが多いので注意しましょう。
iPhoneやSIMフリースマホの高価格帯のものであれば対応している場合が多いです。
通信品質や速度は?
o’sulloc TEA HOUSE 仁寺洞店
南大門
ソルビン 弘大入口駅店
スタバ 弘大
地下鉄の駅
空港鉄道 A’REXの中
まとめ
ソウル駅周辺や明洞や東大門、南大門など色々なところで利用しましたが、電波状況も速度も全く不満なし。非常に快適で文句のつけようがありません。今後ソウルに行くことがあれば、料金も非常に安く、電波や速度状況も問題ないため、間違いなくAIRSIMを利用するでしょう。
香港でのAIRSIM利用・体験レビュー
AIRSIMは香港の会社です。香港での速度等を見ていきましょう。
通信品質や速度は?
香港国際空港から旺角へ行くN21バスの中で
灣仔駅近くのホテルから
上環駅近くのホテルから
ピークから
使い切るとどうなる?
AIRSIMで契約したデータ量を使い切ったり、1日あたりの総量を使い切ったときは、速度低下が起きます。
使い切ると、ダウンロードが約200kbps、アップロードも約200kpsとなっています。
LINEのやり取りぐらいならこれぐらいの速度でも問題なくできますが、ネットサーフィンをしたりマップを利用するにはかなり厳しい速度なので、利用量には気をつけたいところです。
まとめ
速度や通信品質は問題ないと言えそうです。
注意点として、AIRSIMを香港で使えるプランはデータ量が無制限となっているのですが、1日で500MB以上利用すると低速の128kbpsになります。この速度ではLINEは問題ないかもしれませんが、マップを利用したり、ネットサーフィンをしたりするには速度が遅すぎて困ります。
1日で500MB以上利用すると思う人はAIRSIMではないものを用意するのが良いでしょう。500MBに収まるのであれば、AIRSIMは非常にオススメです。個人的に、香港でGoogle MapやWeb検索などで色々と利用しても1日で500MBも使うことは無かったので、大抵の人はAIRSIMで問題ないと思われます。
日本でのAIRSIM利用・体験レビュー
日本国内の場合、現在、2つの事業者を選ぶことができます。
- ソフトバンク
- IIJ
1つはソフトバンク。そしてもう1つはIIJ。IIJというと知らない方も多いかもしれませんが、格安SIMのIIJmioを展開しているのがIIJです。
このIIJの場合はドコモ回線となります。なんでソフトバンク回線とドコモ回線のどちらかを選べることになりますが、個人的にソフトバンク回線をオススメします。理由はIIJの場合、格安SIMと同様に速度が時間帯によって大きく異なる可能性が高いためです。
ソフトバンク回線の速度は?
実際に計測した結果、ダウンロードが約2.5Mbpsとさほど速くはないですが、ネットサーフィンなどで困ることはない速度です。アップロードは約28Mbpsと全く問題ないでしょう。
低速化した時の速度
ソフトバンク回線は1日500MB以上利用すると、低速化し、最大256kbpsという速度になります。
実際に計測してみたところ、ダウンロードは240kbps、アップロードは10kbpsという結果に…
AIRSIMのレビューまとめ
AIRSIMのメリット・デメリットは下記の通り。
メリット
- 比較的割安な料金プラン(一部の国では割高)
- 現地でSIMカードを買う手間がなく、時間を有効に使える
- iPhoneならAPNの設定がいらない(場合が多い)
デメリット
- 一部の国の料金プランは割高(例えば、中国)
- 国内販売のSIMロック解除したgalaxyで繋がらない…
- APNを自分で設定しなければならない機種も多い
さあ、どうでしたか?
AIR SIMを持っていると色々な国で利用できるので、現地でSIMカードを購入する必要がなく非常に便利です。
国やプランによっては現地でSIMカードを調達する方が安上がりになるかもしれません。ただ、現地に着いてからSIMカードの購入で時間が掛かると無駄な時間となってしまいます。
ということで、海外に行くことが多い人は持っているとめちゃくちゃ便利なAIR SIM。個人的には画期的すぎて、便利すぎてめちゃくちゃ愛用しています(笑)。
私の場合は、現地SIMカードがAIRSIMより安くネット(AmazonやYahoo!ショッピング)で売られている場合、そこで現地SIMを事前購入することがありますが、それ以外の時は、「AIRSIM」やWiFiレンタルの「グローバルWi-Fi」など、更に、AIRSIMと同じ仕組みでWi−Fiルーター版となる「Glocal Me」を利用しています。
基本的に現地でSIMカードを調達することはもうしません。空港に着いてから、SIMカードを購入(SIMカードを購入するにも現金がいるので、両替して…SIM調達して…)したりすると、ロスタイムになるのは明白です。
AIRSIMなら、空港に着いてから電源を入れるだけでサクッと通信ができる(APNの設定をしなければ繋がらない機種もあり)のはやっぱりラクですし、本当にオススメしたいです。現地調達の場合、空港のイミグレを抜けた後でしかSIMカードの調達ができない場合が多いですが、AIRSIMなら飛行機が着陸した後、データ通信がOKになった瞬間から使うことができるのもメリットかも。
AIR SIMは香港でしか購入することができなかったのですが、現在はAmazonで購入できるようになっています。手っ取り早く手に入れることができるAmazonでの購入がオススメです。
以上、AIRSIMの詳細レビュー、メリット・デメリットの紹介でした!
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